これはGusがキュー作りをして最初に完成させてキューのうちの1本。
ものの本によれば、最初に製作した15本程をあちこちに売ったのだが、プラハギの接着が悪かったせいで後日クレームが出始めた。
そこでGusは、キューを買った人から再び買い戻し、真っ二つに切断して捨てた…、という話は有名である。
Gusが買い戻すことができずに残ったキューが、まさにこれである。シャフトが驚くほど長く、ハギも合わせハギではない。シャフトのニップルは割れ、繋ぐこともできない。
「撞けないキューなんて買うべきではない。」といろんな人に言われたが、Gusの大ファンである私にとっては使えるかどうかは重要ではない。作者の歴史に触れることができるキューは宝物である。
おそらく現存しているものはごく少数で、これを合わせても2,3本だろう、それ程珍しい。
この当時のメーカーは皆、1ピースのハウスキューをぶった切ってジョイントを付け、糸巻きをして装飾していた。それがキューメーカーであった。
でも、Gusは他人のパーツを使用して大恥をかいたことで外注することをやめ、全て自分で製作するようになった。
Gusが『最初の“カスタム”キューメーカー』と言われる所以は、実はこんなところにあったのである。
合掌。 |
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