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宣言解除後もできる限りの自粛&予防に努めていることと思います。
「新しい生活様式」を取り入れながらお過ごしのカスタムキューファンの皆さまへ、
Lucky先生が数回にわけて世界の銘CUEをお届け致します♪
しばし現実を忘れて愉しんで頂ければ幸いです(^^)

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Vol,9 - @
Kersenbrock

" Rose "

コンディション:Vintage Used(David)、1Butt1Shafts/参考価格:US$15,000.00


これはSouth WestのJerry Franklinを介して購入した一本。1バット1シャフトのDPKで、時期は1987年だったと記憶している。

Jerryの話によれば、おそらくDavidが初めてインレイを入れたキューだろう、とのことであった。

フォアアームはアフリカンか南米産のローズウッド、ハギなしのストレート。スリーブにローズをデザインして手彫りでインレイしてある。
バットエンドはゼブラウッド。バンパーレスで木の無垢そのまま。

作者Davidの愛用のキューでもあったのだろうとは、自分がキュー作りをするようになってしみじみ感じることでもある。
“最初の△△△したキュー”とは、作る側にとっても大変思い入れのあるものだ。

シャフトは私にも馴染みの深いアパラチアンメープルのオールドシャフト。もちろん今でもまっすぐ!!
購入してもう33年になるが、私自身は一度も撞いたことがなく、Davidが使ったままのコンディションだ。




Vol,9 - A
Kersenbrock

" Personal Cue "


コンディション:Vintage Used(David)、1Butt2Shafts/参考価格:US$13,000.00


こちらはDavidのパーソナルキュー(プレイキュー)と言われて購入した一本。やはりこれもJerryの紹介である。

Jerryの奥様のLaurieによれば、80年代はDavidの病状が思わしくなく、ずっと医者通いをしていたので私の支払ったお金もすべて病院代に消えたそうだ。

1989年、John Wrightと共にシカゴの郊外にあったオメガの工房で会った時のDavidは、まるで蝋人形のようであった。
目前のことなど何も理解できず、全く身じろぎもしなかった。全然動かないので驚いたことを覚えている。



こちらのキューはDavidのプレイキューと説明されたことは前に書いた。

私の考えでは、このキューがおそらくDavidの最初に製作したうちの一本ではないかと予想している。

なぜなら、キュー作りを始めて最初に完成した作品の価値は誰にも理解ができなかっただろうし、でも作った本人にとっては大変想いの深い作品だからだ。自分からは手離したくなかったのではないだろうか。

オリジナルのオイルフィニッシュ、当時を想像しながら眺めるだけでワクワクする、そんな一本。


次回も乞うご期待(^^)/
  
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